🐱〈コラム〉猫の寝顔は最強のセラピー?|「眠るねこ」を科学的に分析してみた

その寝顔に、今日も癒される
窓辺にぽかぽかの日差しが差し込む午後。
カーテンの影にちょこんと現れる、まるくなったねこの背中。
近づいてみると、スゥスゥと寝息を立てて、気持ちよさそうに眠っています。
ふわふわの毛に鼻先をうずめ、少しだけお腹が上下する様子。
その「寝顔」を見ているだけで、なんだか心がゆるんでいくような気がしませんか?
私たちはなぜ、猫の寝ている姿にこんなにも癒されるのでしょうか。
今日はその理由を、やさしい科学の視点から、そっとのぞいてみましょう。
見るだけで癒される…それには理由がある?
猫の寝顔を見たとき、「あ〜…かわいい…」とため息が出るのは、ただの気のせいではありません。
実はこれ、脳の中で“幸せのスイッチ”が押されている証拠なのです。
心理学では、赤ちゃんのような顔立ちに心が動かされることを「ベビースキーマ」と呼びます。
まるい輪郭、大きな目、小さな鼻、無防備なポーズ……。
猫の寝顔はまさにそれ。
本能的に「守ってあげたい」と思わせて、私たちの副交感神経を活性化してくれるのです。
しかも、かわいいと思った瞬間には“オキシトシン”というホルモンも分泌。
これは「癒しホルモン」「愛情ホルモン」と呼ばれ、安心感や幸福感を高めてくれるのです。

猫にとっての「睡眠」はとても大切
猫は1日のほとんどを寝て過ごします。
平均で1日12〜16時間、子猫や老猫なら20時間以上寝ていることも。
これは「狩猟動物」としての名残。
短時間の狩りのために、エネルギーを温存する必要があるのです。
また、猫の眠りには「レム睡眠(浅い眠り)」と「ノンレム睡眠(深い眠り)」があります。
レム睡眠中は、耳や足がピクピク動いたり、口がモグモグしたりすることも。
そんな様子を見ると、「夢でも見てるのかな?」とほっこりしますよね。

寝顔や寝相にも“性格”が出る?
「うちの子、よくお腹を出して寝てるんです」
「顔を隠してうずくまるのが好きみたい」
猫によって、寝顔や寝方にはそれぞれの“くせ”があります。
特に人気なのが、ひっくり返って手足を投げ出す「へそ天ポーズ」。
これは安心しきっている証拠で、家の中が安全だと心から信じている状態。
反対に、体をきゅっと丸めて顔を隠すように寝る子は、少し警戒心が強い性格かもしれません。
でも、そんな姿も個性のひとつ。
それぞれの寝顔に、その子らしさがあふれているのです。

起こさず見守るやさしさを
かわいすぎて、つい「かわいい〜!」と声をかけたくなる寝顔。
でも、猫にとっては貴重な休息時間。
そっと見守ることが、いちばんの思いやりです。
静かに近づいて、ゆっくりと猫の寝顔を見ていると、不思議と自分の呼吸も深くなっていきます。
猫がリラックスしているのを感じると、私たちの心も自然と落ち着いていく――
まさに、小さなセラピストですね。

まとめ|猫の寝顔は、心を整える魔法
猫の寝顔には、科学的にも心理的にも「癒しの力」があるとわかりました。
無防備で安心しきったその姿は、忙しい私たちの心にそっと寄り添い、やさしさを思い出させてくれる存在です。
今日もどこかで、誰かの暮らしをやさしく照らす“眠るねこ”。
あなたのそばにも、そんな静かなセラピーの時間が訪れますように。