🐱猫の水飲み器は自動給水器と普通の器、どっちがいい?
猫の水飲み器には、モーターで水を循環させる「自動給水器」と、水を入れて置くシンプルな「普通の器」があります。
流れる水を好む猫には自動給水器がよさそうですが、音や振動を嫌がる猫もいます。一方、普通の器は扱いやすいものの、水の交換を忘れないようにしなければなりません。
では、猫にとって本当に使いやすいのはどちらなのでしょうか。
今回は、自動給水器と普通の器の違いを比べながら、猫に合った水飲み環境の整え方を考えます。
結論:猫がよく飲む方を選ぶのが正解
先に結論をいうと、
自動給水器と普通の器のどちらが優れているかは、猫によって異なります。
流れる水を好み、自動給水器にすると飲む回数が増える猫もいます。しかし、すべての猫が流水を好むわけではなく、普通の器を好む猫もいます。
コーネル大学猫健康センターも、自動給水器によって飲水量が増える猫はいるものの、好みには個体差があると説明しています。
そのため、飼い主の便利さだけで決めるのではなく、
- 実際に猫がよく飲んでいるか
- 怖がったり避けたりしていないか
- 清潔な状態を維持できるか
を基準に選ぶことが大切です。
自動給水器とは?
自動給水器は、ポンプを使って水を循環させるタイプの水飲み器です。
製品によって形は異なりますが、水が上から流れ落ちるものや、表面を静かに流れるものなどがあります。フィルターを通して水を循環させるタイプも一般的です。
蛇口から流れる水を飲みたがる猫や、動いている水に興味を示す猫には、自動給水器が合う可能性があります。
International Cat Careも、流れる水を好む猫への選択肢としてペット用給水器を挙げています。
自動給水器のメリット
流れる水に興味を持つ猫がいる
猫によっては、器にたまった水よりも流れている水を好みます。
水の動きや音に興味を持ち、自動給水器を設置すると水を飲む機会が増えることがあります。コーネル大学も、水飲み器によって飲水量が増える猫がいるとしています。
水が動いているため存在に気づきやすい
静かな器に入った水よりも、水音や動きのある給水器の方が猫の注意を引きやすい場合があります。
水飲み場の前を通った際に興味を持ち、そのまま飲むきっかけになることも考えられます。
留守中も一定量の水を用意しやすい
タンク容量の大きな製品なら、普通の小さな器より多くの水を入れておけます。
ただし、自動給水器があるから長期間交換しなくてよいわけではありません。水の補充だけでなく、本体やポンプ、フィルターの清掃も必要です。
自動給水器のデメリット

定期的な分解清掃が必要
自動給水器は、器だけでなく、ポンプや水の通り道、フィルターなども清掃しなければなりません。
見た目の水がきれいでも、内部に汚れやぬめりが残ることがあります。International Cat Careも、給水器は頻繁に洗浄する必要があると案内しています。
普通の器より部品が多いため、清掃に時間がかかる点は考えておきたいところです。
音や振動を嫌がる猫もいる
ポンプの動作音やモーターの振動を警戒し、近づかない猫もいます。
最初は興味を示しても、実際には水を飲まない場合もあります。特に警戒心の強い猫には、静音性の高い製品を選び、普通の器も残したまま慣らす方が安全です。
電源やフィルターなどの管理が必要
自動給水器には、コンセントやUSB電源を使用する製品があります。
コードをかじる猫がいる家庭では、配線を保護する必要があります。また、フィルター式の場合は定期的な交換費用もかかります。
停電やポンプの故障も考えられるため、自動給水器だけに頼らず、普通の器も用意しておくと安心です。
普通の器とは?
普通の器は、陶器やステンレス、ガラスなどの容器に水を入れて置く、もっともシンプルな方法です。
特別な機械は必要なく、水を交換して器を洗えば使えます。
VCA動物病院は、猫の水飲み器として、プラスチックよりガラス、金属、陶器を好む猫が多いと紹介しています。ただし、材質や形にも猫ごとの好みがあります。
普通の器のメリット
洗いやすく清潔を保ちやすい
部品が少ないため、毎日の水交換と洗浄が簡単です。
汚れや水の減り具合も目で確認しやすく、猫がどの程度飲んだかを把握しやすい点もメリットです。
電源や消耗品がいらない
電源コードやポンプ、交換フィルターが必要ありません。
購入後に大きな維持費がかからず、停電や機械の故障を心配する必要もありません。
複数の場所に置きやすい
普通の器は手軽に増やせるため、リビングや寝室、廊下などに水飲み場を分散できます。
水を飲む機会を増やすためには、家の中の複数箇所に水を置く方法が勧められています。多頭飼いでは、ほかの猫に水飲み場を使わせてもらえない状況を避けることも重要です。
普通の器のデメリット
水をこまめに交換する必要がある
器に入れた水には、猫の毛やほこり、食べかすなどが入りやすくなります。
見た目に汚れていなくても、毎日新鮮な水に交換し、器を洗う必要があります。猫には、常に清潔で新鮮な水を用意することが基本です。
猫によっては興味を持ちにくい
動きのない水にあまり興味を示さず、器の前を通っても飲まない猫がいます。
特に蛇口から水を飲みたがる猫の場合は、自動給水器を試す価値があります。
器の形によっては飲みにくい
深くて口の狭い器では、飲むときに猫のヒゲが縁へ触れやすくなります。
すべての猫が嫌がるとは限りませんが、器に近づいても飲むのをやめる場合は、浅くて広い器を試してみる方法があります。
自動給水器と普通の器を比較

| 比較項目 | 自動給水器 | 普通の器 |
|---|---|---|
| 水の状態 | 水が循環する | 水をためておく |
| 向いている猫 | 流れる水を好む猫 | 静かな水を好む猫 |
| 手入れ | 分解清掃が必要 | 洗浄が簡単 |
| 維持費 | 電気代・フィルター代など | ほとんどかからない |
| 設置 | 電源が必要な場合が多い | 場所を選びにくい |
| 飲水量の確認 | 正確には分かりにくい | 水の減りを確認しやすい |
| 故障時 | ポンプ停止の可能性がある | 機械的な故障がない |
| 複数設置 | 費用がかかりやすい | 手軽に増やせる |
自動給水器が向いていそうな猫
次のような猫には、自動給水器が合う可能性があります。
- 蛇口から水を飲みたがる
- 水が動くと興味を示す
- 普通の器ではあまり水を飲まない
- 水遊びが好き
- モーター音や水音を怖がらない
ただし、設置しただけで必ず飲水量が増えるわけではありません。
導入後は、実際に飲んでいるかを観察しましょう。
普通の器が向いていそうな猫
次のような猫には、普通の器が使いやすいでしょう。
- 音や振動に敏感
- 新しい機械を警戒する
- 普通の器から十分に水を飲んでいる
- 飲んだ量を確認したい
- 飼い主が毎日こまめに洗浄・交換できる
- 家の複数箇所に水を置きたい
シニア猫の場合は、階段を使わなくても水を飲めるよう、生活場所の近くに複数の器を置く方法もあります。
迷ったら「両方置く」のがおすすめ
自動給水器か普通の器のどちらか一方に決める必要はありません。
最初は、
- リビングに自動給水器
- 寝室や廊下に普通の器
というように、両方を設置して猫の反応を観察する方法がおすすめです。
猫自身に好きな方を選んでもらえば、その猫の好みが分かります。
多頭飼いでは、1匹が自動給水器を好み、もう1匹が普通の器を好むこともあります。水飲み場を1箇所だけにせず、複数用意することが大切です。

水飲み器を置く場所も大切
水飲み器の種類だけでなく、設置場所によっても猫の飲み方が変わる場合があります。
食事場所から少し離して置く
猫によっては、フードのすぐ隣に置かれた水を好まないことがあります。
VCA動物病院は、水の器を食器の近くに置かず、異なる場所に複数用意する方法を紹介しています。
静かで落ち着ける場所を選ぶ
洗濯機やテレビ、頻繁に人が通る場所の近くでは、落ち着いて飲めない猫もいます。
猫が周囲を確認しながら、安心して水を飲める場所を選びましょう。
トイレのすぐ近くは避ける
猫が落ち着いて飲めるように、水飲み場は猫トイレから離して設置した方がよいでしょう。
多頭飼いでは離れた場所にも置く
水飲み場が1箨所だけだと、ほかの猫が近くにいることで飲めない場合があります。
複数の部屋や、互いに少し離れた場所へ水を置くと、それぞれの猫が利用しやすくなります。
普通の器を選ぶときのポイント
普通の器を使う場合は、次の点を確認します。
安定感がある
軽すぎる器は、猫が触ったときに動いたり倒れたりすることがあります。
底が広く、適度な重さのある器が扱いやすいでしょう。
浅くて広い
顔を入れやすく、ヒゲが器の縁に触れにくい、浅めで広い形が使いやすい猫もいます。
洗いやすい材質
陶器、ステンレス、ガラスなど、傷や汚れを確認しやすく、毎日洗いやすいものが向いています。
VCA動物病院も、猫によって好みは異なるものの、ガラス、金属、陶器の器を試す方法を紹介しています。
自動給水器を選ぶときのポイント
分解して洗いやすい
本体の見た目だけでなく、ポンプや水路まで簡単に外して洗えるかを確認します。
細かい溝や洗いにくい部分が多い製品は、日常の手入れが負担になる可能性があります。
動作音が小さい
音に敏感な猫の場合、ポンプ音が大きいと近づかなくなることがあります。
水量が減ると音が大きくなる製品もあるため、こまめな補充が必要です。
コードを安全に設置できる
コードをかじる猫がいる場合は、コードカバーを使うなどの対策が必要です。
交換部品を購入しやすい
専用フィルターやポンプが必要な製品は、交換部品が継続して購入できるかも確認しておきましょう。
猫が水を飲んでいるか確認しよう
水飲み器を替えたあとは、設置しただけで安心せず、実際の様子を観察します。
- 水飲み場へ行く回数
- 実際に水を飲んでいるか
- 水の減り方
- 尿の回数や量に大きな変化がないか
- 元気や食欲に変化がないか
自動給水器は循環や蒸発によって水量が変化するため、減った水のすべてを猫が飲んだとは限りません。
飲水量を把握したい場合は、一定量を量って入れられる普通の器の方が確認しやすいでしょう。
なお、水をまったく飲まない、急に飲水量が減った、反対に以前より極端に水を飲むようになった場合は、器の好みだけでなく体調の変化も考える必要があります。元気消失、嘔吐、下痢、食欲低下などを伴う場合は、動物病院へ相談してください。脱水は病気や嘔吐、下痢などでも起こり得ます。
水飲み環境に取り入れやすいアイテム
ここからは、猫の水飲み環境を整えるときに候補になる商品を紹介します。
商品名や仕様は変わることがあるため、購入前にサイズや販売元を確認してください。
GEX「ピュアクリスタル」シリーズ
猫用自動給水器として広く流通しているシリーズです。
製品によって容量や形が異なり、フィルターを使って水を循環させるタイプがあります。
流れる水に興味を持つ猫や、自動給水器を初めて試したい家庭の候補になります。

流れるお水を試してみたいニャ!

音を怖がらないか、最初は普通の器も残して確認するニャ。
猫壱「ハッピーダイニング 脚付ウォーターボウル」
普通の器を使いたい場合の候補です。
脚が付いているため、床へ直接置く器より少し高さがあります。
猫の体格によって使いやすい高さは異なりますが、前かがみになる姿勢を少し減らしたい場合に検討できます。

普通の器でも、形や高さで飲みやすさが変わるニャ。

ぼくの顔が入りやすい広さも大切ニャ!
ル・クルーゼ「ハイスタンド・ペットボール」
陶器製の高さがあるペット用ボウルです。
重量があるため動きにくく、洗いやすい器を探している場合の候補になります。
色やサイズの選択肢があるため、猫の体格と設置場所を確認して選びます。
まとめ:自動給水器と普通の器、猫が選べる環境が理想
自動給水器は、流れる水を好む猫や、普通の器ではあまり飲まない猫に向いています。
一方、普通の器には、
- 毎日洗いやすい
- 水の減りを把握しやすい
- 複数の場所に置きやすい
- 維持費がほとんどかからない
というメリットがあります。
どちらか一方がすべての猫に適しているわけではありません。
最初は自動給水器と普通の器を併用し、猫がどちらからよく飲むかを観察するのがよいでしょう。
大切なのは、器の種類ではなく、
猫が安心して、いつでも新鮮な水を飲めること
です。
ゆず先生からひとこと。

高価な給水器だから飲むとは限らないニャ。毎日きれいにして、好きな場所で飲めるようにすることが大事だニャ。
